山の斜面を利用した神子畑選鉱場はひな壇状に22階層あり、幅110m、長さ170m、高低差75mの規模を誇った。昭和9年以降、幾度かの拡張工事が行われ、「東洋一」と呼ばれる規模の選鉱場となる。
明延鉱山から鉄道で運ばれた鉱石は主に錫だが、多品種鉱山であったため銅・亜鉛なども含まれていた。その為、鉱石の状態・種類に合わせた作業を行った。上層より破砕→比重選鉱→浮遊選鉱→脱水などを経て鉱石は製錬施設に運ばれる。
神子畑の選鉱技術は高い評価があり、比重選鉱技術は海外からも視察団が訪れるほどだった。
また、24時間稼働しており、夜中になると選鉱場が光る姿が印象的で不夜城のようだったという。